営業マンに言いくるめられないための内見チェックポイント【ファミリー向け戸建て編】

戸建ての購入を決断する際には、内見で建物のなかをチェックする必要があります。しかし「どのようなポイントをチェックしたらよいのかわからない」といった人もいるはずです。

内見時のポイントを理解しておけば何をチェックすればよいのか明確となり、購入するかどうかスムーズに判断できます。

本記事ではファミリー向け戸建てを内見する際、チェックすべきポイントを家族構成の内容に分けて解説します。記事のなかでは内見時に持参すべき持ち物や聞くべき内容についても説明していますので、建物をみに行く際にはぜひ参考にしてみてください。

内見とは

内見とは、物件の敷地や建物をみることです。

関西や中部では「内覧」と呼ぶケースがあるものの、意味は内見と同じです。

近年はインターネットでも建物内部を確認できますが詳細な情報までは入手できず、必ず内見してから物件の購入を検討しなければなりません。内見しないと壁紙やフローリングの小さなキズは見つけられませんし、周辺の騒音や臭気の程度もわかりません。

内見すると購入を決断するために必要な情報が多く手に入るため、不動産購入に欠かせないイベントといえるでしょう。

内見では営業マンに言いくるめられないことが重要

不動産を購入するには正確な情報が必要です。不正確な情報を入手すると希望する不動産と相違していても、購入してしまう要因となってしまいます。

信頼できる営業マンから得られる情報であればよいのですが、購入させようとよい情報だけを伝えてくる人だと正確な判断ができなくなるかもしれません。

営業マンに言いくるめられないようにするには、内見時に何を確認すればよいのか理解しておく必要があります。確認に必要な事項がわかっていれば他人の言葉に流されにくくなり、正確な判断ができるようになります。

ファミリー向け戸建て内見時のチェックポイント

ファミリー向け戸建てを内見する際には、世帯によってチェックするべきポイントが変わります。

ここからは全世帯でチェックすべきポイントとあわせ、小さなお子様がいる家庭や高齢者のいる家庭などのポイントまで紹介します。

全世帯共通のチェックポイント

全世帯共通のチェックポイントは、以下のとおりです。

  • 内装や外装のキズ・汚れ
  • 設備の性能や稼働状況
  • 各部屋の動線
  • 周辺施設
  • 日当たりや風通し
  • 騒音や臭気の有無
  • 部屋や廊下の広さや高さ
  • コンセントの数や位置
  • 収納スペースの広さや数

内見の際には多くの項目を確認しなければならず、時間をかけて詳細に調査しなければ判明しないものもあります。そのため、内見は買い手と売り手、ともに多くの時間が取れるときに設定しなければなりません。

また、物件だけでなく周辺施設までの距離や道の状況、騒音や臭気なども確認する必要があります。周辺の施設や環境まで調査するには、丸1日かかると考えておくことが大切です。

小さなお子様がいる家庭のチェックポイント

小さなお子様がいる家庭のチェックポイントは、以下のとおりです。

  • 通学路の安全
  • 子どもを対象とした犯罪認知件数
  • 夜間の道路状況
  • 子ども部屋の広さや数

小さな子どもがいる場合、子どもの安全を最優先に考えて内見しなければなりません。

とくに部活動や塾の帰りなど遅くに帰宅する子どもがいるなら、夜間の道路状況には注意しましょう。通常、内見は日当たりを確認するために昼におこないますが、このような調査は夜しかおこなえません。時間の調整が必要であり、内見当日に調査できない場合は後日でもよいでしょう。

高齢者がいる家庭のチェックポイント

高齢者がいる家庭のチェックポイントは、以下のとおりです。

  • 建物内や敷地の段差
  • 車いすが通過できるかどうか
  • 浴室に暖房があるか
  • クリニックや病院の充実度
  • 救急車が到着するまでの時間

高齢者が家庭にいる場合、まず建物内・敷地内で転倒しそうな箇所はないか調査します。また、冬場はヒートショックを起こすおそれもあるため、浴室に暖房がついているか確認する必要もあります。

ケガや病気で通院するケースが多いため、近隣にクリニックや病院が揃っていると安心です。急病や大ケガに備え、救急車が到着する時間まで確認しておけばより安心です。

ペットを飼育している家庭のチェックポイント

ペットを飼育する家庭のチェックポイントは、以下のとおりです。

  • ペットの洗い場
  • ペットを遊ばせるスペース
  • 建物内の床材

ペットと一緒に暮らす場合、まず洗い場があるか、遊ばせるスペースがあるか確認します。ペットを清潔な状態に保ち、遊ばせてストレスを解消する必要があるからです。洗い場は屋外に水栓があればよいでしょう。

また、飼育するペットの種類によってはフローリングだと滑ってケガをするケースがあります。もし滑るようなら引越し後にカーペットを敷くといった対策が必要です。

ファミリー向け戸建て内見の流れ

ファミリー向け戸建てを内見する際には、以下の流れで進めていきます。

  • 希望の物件を探す
  • 希望の物件を担当する不動産会社に内見をお願いする
  • 不動産会社が買い手と売り手の日程調整をおこなう
  • 建物と敷地の内見をおこなう
  • 物件の周辺調査をおこなう

上記の流れは基本的な流れであり、物件によって異なります。たとえば、空き家の物件であれば売主との時間調整は必要なく、買い手の希望日に内見が可能です。

また、物件によってはWebで建物内がみられる「オンライン内見」を実施しているケースもあります。先にオンライン内見しておけば、実際に内見する際の予習となります。

ファミリー向け戸建て内見に必要な持ち物

ファミリー向け戸建てを内見するときにあると便利な持ち物は、以下のとおりです。

持ち物

使いどころ

カメラ

(スマホでも可)

写真や動画を撮影し内見後の確認に使用する

コンパス

(スマホのアプリでも可)

物件の向きが物件資料とあっているか確認する

向きがわかれば日当たり具合を予測できる

メジャー

家電や家具、カーテンなどを設置するために必要なサイズを測る

筆記用具・メモ帳

(スマホでも可)

内見して気付いたことメモする

記憶だと忘れてしまうため記録用として使う

地図

(スマホのアプリでも可)

周辺施設や行くために必要となる

事前に周辺施設を調べておけばより効率的に回れる

スリッパ

靴下を汚さないために必要

不動産会社が用意してくれるケースもある

内見に必要なものは多いですが、スマホを利用すれば手荷物を減らすことが可能です。

きちんと持ち物を準備しておけば、内見での調査が捗ります。何度も内見する機会はないため、少ない回数で調査が終わるように持ち物を準備しておきましょう。

ファミリー向け戸建て内見時に聞くべき質問

ファミリー向け戸建ての内見時に営業や所有者に聞くべき質問は、以下のとおりです

  • 退去する理由
  • 周辺環境
  • 物件の特徴

内見では確認しきれない項目もあるため、営業や所有者に質問しておきましょう。

退去する理由

所有者が退去する理由を聞けば、物件の問題点がわかるケースもあります。

たとえば、高齢になって不便になったから退去するといったのが理由であれば、高齢者がいる家庭には向いていない物件かもしれません。退去する理由は、物件の大きな問題を洗い出してくれる大切な情報です。

なお、退去する理由を聞く際には、所有者ではなく担当者に聞きましょう。理由のなかには、離婚や債務返済など話したくない内容も含まれます。所有者を嫌な気持ちにさせないよう配慮することも大切です。

周辺環境

周辺環境で確認すべき主な項目は、以下のとおりです。

  • 過去に起きた自然災害の有無と被害状況
  • 利用している生活利便施設
  • 振動や騒音、臭気などの有無
  • 近隣の人の情報

周辺環境は生活に大きな影響を与えるにもかかわらず、調査するのが難しい項目です。そのため、所有者や担当者から聞いて確認する必要があります。

自然災害の被害状況や近隣の人の情報などセンシティブな内容も含まれるため、聞くとき位は失礼のないように確認することが大切です。

物件の特徴

物件の特徴は所有者がよく理解しているため、どのような良さ・悪さがあるのか確認するのが一番です。

不動産は住んでみて初めてわかる特徴が数多くあるため、内見だけですべてを把握するのは困難です。しかし、特徴を確認しておかないと購入を後悔するおそれがあるため、必ず把握しておく必要があります。

間取りの動線や設備の使い勝手などは住んでみないと体感できませんが、実際に住んでいる人に聞けば正確な情報を入手できます。

まとめ

内見は不動産購入の判断材料を集めるための大切なイベントです。

内見時に確認すべきポイントを理解したうえで、営業マンのトークに流されないように準備しておかなければなりません。

また、内見する際には、家族構成に応じたポイントを確認する必要があります。自分に適した物件かどうか判断するには、家族のことまで考えて内見することが大切です。

内見の際のポイントを押さえ、理想の住まいを探していきましょう。